継続的に英語力の伸びを測定できる
スコア型英語4技能検定

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Vol.82Interview

高岡高校における英語指導の変革とスーパーグローバルハイスクールの取組

富山県立高岡高等学校 様

富山県立高岡高等学校 様

富山県立高岡高等学校は、今年度創立116年目をむかえる伝統校であり、東大をはじめとする難関大への合格者を例年多数輩出する全国有数の進学校である。平成24・25年度は文部科学省「英語力を強化する指導改善の取組」の拠点校指定を受け、平成26年度からはスーパーグローバルハイスクール(以下、SGH)の指定を受け研究をスタートさせている。SGHを推進していく串田至人教頭先生と、英語の指導変革に取り組んでこられた英語科の松倉輝代子先生にお話を伺った。

串田教頭先生、英語科 松倉先生インタビュー

県全体で「ふるさと学習」を推進
富山のことを世界で発信できる人材の育成をはかる

Q SGHとして、今後取り組んでいかれるテーマについて、教えてください。
串田先生 本校はSGHのテーマとして「ふるさとに誇りと愛着を持ったグローバル・リーダーの育成」を掲げています。 今後グローバル化する世界に出ていっても、自分たちのふるさと富山のことを誇りと愛着を持って発信することができるようになってほしいという願いをこめています。実は、富山県においては、富山の郷士史などをまとめた教材も作られており、県全体としてふるさと学習を推進しています。富山のことを英語でまとめた「KITOKITO TOYAMA」という教材も、教育委員会で作成し、配布をしており、 既にこのテーマでSGHの研究を進めている下地は十分にできていると言えます。

県内3校で探究学習を推進 今後は課題研究も英語でプレゼン

Q SGHにおいて求められる探究学習については、どのように取り組まれる予定でしょうか。
串田先生 探究学習についても、既に本校では数年前から取り組んできています。平成23年度に理数科にかえて探究科学科を設置しました。 ここでは1年次から課題研究の手法を学びながら、自身の課題研究テーマを探り、2年次にテーマ研究に取り組み、研究内容をプレゼンするなどの探究学習を進めてきました。 県内の富山高校や富山中部高校にも探究化学科が設置されていますので、3校合同で先生方の合同研修会なども行っています。 例えば昨年度は課題研究の評価のあり方をどのように行うか、ルーブリックをどのように設定すれば、生徒の課題研究・探究学習がより学びの多いものになるかなども、 学校の枠を超えて既に検討を重ねてきています。 これらを活かし、今後のSGHの探究学習を進めていこうと思います。
Q SGHの指定を受けて、特にこれから新たに取り組んでいくことは何でしょうか。
串田先生 ふるさと学習や探究学習については、これまでも進めてきたことですから、 よりいっそうその内容を深めていくということになりますが、 今後は課題研究の発表も英語で行ったり、 アメリカでの研修を行うといった取り組みが新たに加わってくることになります。 また、富山には国連機関であるNOWPAP(北西太平洋地域海行動計画)のオフィスもありますので、 こういった外部機関ともよりいっそう連携を強化していくことになります。

ドラスティックには変えない
これまでの指導に積み重ねて生徒が活動する割合を増やすスタイルに

Q SGH指定を受ける前の平成24・25年度には文部科学省の「英語力を強化する指導改善の取組」の拠点校の指定も受けて、 英語指導をより充実させてこられたかと思いますが、どのような取り組みを行ってこられたかを教えてください。
松倉先生 平成24年度から拠点校の指定を受けて、英語指導改善を進めてきましたが、 「ドラスティック」にこれまでの英語指導を変えたわけではありません。 むしろ、これまでの指導で生徒の英語力をしっかりと伸ばしてきていましたし、 実は10年以上前から2年生などでは「英語で授業を行う」という取り組みも一部の科目で行っていました。 そのため、これまでのやり方を一気に変えてしまうということではなく、これまでの指導で大事にしてきた部分は残しつつ、 よりいっそう「生徒が英語を使って活動する」時間を増やし、特にWritingやSpeakingなどの活動の割合を増やしてきたというのが実情です。 単に教科書の内容理解にとどまらず、4技能をバランスよく伸ばしていけるように意識しています。

これまでにも意識していた授業での目標をCAN-DOリスト形式で明文化

Q 拠点校として具体的に取り組んでこられたことを教えてください。
松倉先生 まず行ったこととして、CAN-DOリスト形式の学習到達目標の設定と、指導・評価への反映です。 これまでも、それぞれの科目において、目標として意識していたことや、共通して行っている指導はあったのですが、 それらをこの機会にCAN-DOリストとして明文化することにしました。 具体的な言葉を用いてCAN-DOリストとして明文化するのは苦労しましたが、作成したことによって、教員にとっていくつもメリットがありました。 特に、CAN-DOリストの作成前に比べて、英語教員間で言語活動や指導法について共有したり、統一したりと、協力することが増えました。 また、生徒にとっても、一つひとつの活動がどのような力に結び付くのかを意識するようになったり、自己評価により自分のできることとできないことを意識し、 自分の伸びを自覚できるようになったと思います。

活動に合わせ、Speakingテスト・Writingテストの機会も増やす

Q CAN-DOリストの策定に合わせて、指導・評価をどのように変えてこられたのでしょうか。
松倉先生 拠点校として取り組みを進める中で、特にWritingやSpeakingの活動を授業の中では多く取り入れるようになりました。 これに伴って、当然ながらWritingテストやSpeakingテストといった評価の機会も増やしていくことになりました。 1年生であれば、Writingテストは年間10回、Speakingテストは年間3回と、評価の機会を増やし、指導と評価の一体化を意識してやってきました。 英語表現Ⅰの授業では、1学期は「身近な事柄について、簡単な表現を用いて1分間程度独力で話し続ける力を養う」という目標を立てていますので、 1分間トークや聞く態度を養う活動を授業で行っています。 そしてこのような活動を普段行うため、学期の最後のSpeakingテストでは、テーマを決めて1分間のShow&Tellを行います。 2学期になると後半にはディスカッションまで活動を行いますので、Speakingテストも3人1グループで4分間のディスカッションを行わせるなど、 授業での活動と、学期末のSpeakingテストがしっかりとリンクするように、評価を行っています。

外部試験で英語力の伸びを客観的に測定するため、Speakingテストも導入

Q 外部試験の活用についても教えてください。
松倉先生 英語を使う活動や、評価の機会を校内でも増やしていますので、 実際にその取り組みを通して英語力がついたかどうかを客観的に測定するために外部試験としてGTEC for STUDENTSを活用しています。 Writingを含めた3技能が測定できるため1~3年生で計5回受検をしていますし、Speakingについてもタブレットで一斉に行うことができるということで、 今年度から1・2年生で導入することにしました。 GTECで測定した結果、事業初年度の学年(現3年生)に比べても、事業2年目の学年(現2年生)の方が、1年次のスコアの伸びが大きいので、 この事業で取り組んできたことが少しずつ積み上がって成果として表れていると思っています。
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授業の質を落とさず、生徒の頭をフル回転させる仕掛けを意識する

Q 英語で授業を行う上で、意識されていることはありますでしょうか。
松倉先生 英語で授業をしても、授業の質を落とさないということを意識しています。 本校の生徒は、頭をフル回転させるようなタスク・仕掛けを行っていかないと、授業に飽きてしまいます。 例えば、Readingで本文を読んだ後に、内容理解のタスクとしてT/Fを課しても良いのですが、T/Fの問題を作らせるということをタスクとして課すことがあります。 こうすると、どの部分ならT/Fの問題になりうるか、どのような問題を作ればいい問題になるかを考えながら生徒が英文を読むことになりますので、 深く読む姿勢につながります。 実際に、教員が驚くほどいい問題を作る生徒、深く深く本文を読み込んでくる生徒もいます。 こういった仕掛けを意識することで、生徒の力を引き出すことができるのではないかと思います。

大学に入ってからも十分に使える英語力をつけさせたい

Q 最後に、生徒にどのような英語力をつけさせたいかを教えてください。
松倉先生 東大に入った生徒が、大学で行われる授業が英語だからわからない、と言わせたくはないと思っています。 大学入試を突破することはもちろん大事ですが、大学に入ってからも使える英語力をつけさせたいですね。
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