継続的に英語力の伸びを測定できる
スコア型英語4技能検定

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Vol.85Interview

「生徒が使える」CAN-DOリストで、生徒の学ぶ意欲を引き出す

猪苗代町立東中学校 様

猪苗代町立東中学校 様

猪苗代町立東中学校は、2012年に文科省の「英語力を強化する指導改善の取組み」において、拠点校に指定された。近隣の中学校4校と連携し、CAN-DOリストを活用した授業を実践されている。
2014年度から、「英語教育推進リーダー」として県から推薦を受けられた、英語科 渡部真喜子(ワタナベ マキコ)先生にお話を伺った。

英語科 渡部先生インタビュー

地域と連携したCAN-DOリスト作成 拠点校・協力校の取り組み

Q 貴校では拠点校事業をきっかけに地域でCAN-DO(資料1)を作成されていますが、CAN-DO作成のポイントを教えてください。
渡部先生 2012年に文科省の「英語指導力向上事業」において、本校が拠点校に指定されました。本校を拠点校として、会津地区の中学校4校、2013年からは小学校3校も協力校となり、「CAN-DOリストを活用した授業展開」についての実践研究が始まりました。どのような英語力をつけて卒業させるか、その時点での理想となる生徒をイメージして、そこから逆算型でアプローチします。
目標に到達するためには、各学年でどの程度の英語力を身につけさせなければならないのかを具体的に考えていきました。
また、学習指導要領と教科書、CAN-DOリストにつながりをもたせるために、教科書で設定されている評価基準を指標のベースにしています。

こだわりは「生徒が使える」CAN-DOリストを作ること

渡部先生 何より大事にしたことは、「生徒が使えるCAN-DOリスト」を作るということです。抽象的すぎたり、文法項目など指導内容が詳細すぎたりすると、指導者・学習者ともに理解することができません。実際に学習者が使って有益であること、学習者の学びの姿を通して、教師が授業の改善につなげられるものでなくてはならないと考えたので、生徒が使うことを想定して作りました。「生徒が使える」ためには、生徒の実態にあわせたCAN-DOリストを作る必要があります。それぞれの中学校、学年によって、学力やパーソナリティといった生徒の様子は異なります。受け持つ生徒の様子を想定しながら、作るのがポイントかと思いました。
本校が拠点校でしたので、CAN-DOリストの叩き台を作り、前述の外してはならない作成のポイントを協力校の中学校4校に共有、連携しながら作成を進めていきました。適宜、中学校5校でTV会議システムを利用して情報交換やフィードバックをおこないながら、学校独自のCAN-DOリストを作成しました。

「生徒が使える」ために、Lesson毎にチェックシートを作成

Q 「生徒が使える」CAN-DOリストとは具体的にどのようなものでしょうか。
渡部先生 CAN-DOリストは指導者だけではなく、学習者である生徒にとって使えるものでなければならないと考えていますので、生徒が理解しやすいように、「教科書のLessonと各技能を関連付けたリスト」と「各LessonのCAN-DOチェックシート」を作成しました(資料2、3、4)。本校では、技能を「聞くこと」「話すこと」「読むこと(音読)」「読むこと(内容理解)」「書くこと」の5つに分類しています。
そして、CAN-DOが教科書のどの部分に該当するのかわかりやすいように、各Lessonの象徴的なイラストを挿入しています。
このチェックシートを活用することで、生徒は各Lessonでなにを身につけなければならないのかを理解することができるようになりました。

チェックシートでの自己評価が学びの動機づけにつながる

Q CAN-DOリストを活用して、生徒・教員にどのような効果がありましたか?
渡部先生 チェックシートで自己評価をさせたことが、学びへの動機づけになっていると感じます。チェックシートには、各CAN-DOに自己評価の欄を設けています。生徒はそのときの理解度、定着度を自己評価します。単純な数値化より、さらに生徒に身近に感じさせることができるよう、評価の指標部分にイラストを使用しました。その方がより生徒のその時の感情に近い反応が得られると判断した為です。このチェックシートはCAN-NOT-DOリストになってはダメで、CAN-DOを実感できる仕掛けが必要です。このシートは、復習もかねて複数回、授業で活用しますので、推移で記録し、徐々にレベルが上がっていく実感、喜びをもてるようにしました。それが次の授業への動機付けにつながればと考えています。

何ができるようになったかを気づかせる
“What more can you do?”の自由記述欄

渡部先生 生徒から評判が良かったものは、「What more can you do?」の自由記述です。「前回の授業で教わった単語を使えるようになった」「教科書の内容理解が深まった」など、こちらが想定していたCAN-DO以外にも生徒はできるようになった実感をもっている様子がわかりました。
また、生徒からの「CAN-DOリストは感動(CANDO)リストです」という言葉が印象的でした。生徒たちが「これまで学んだこと覚えている。覚えているか、覚えていないかがわかる。感動しますよ!」と言ってくれ、とても嬉しかったです。
CAN-DOリストは、私たち教員がどのような授業をして、生徒はなにを学び、なにを感じたか、多くのことに気づかせてくれるリストだと思います。

GTECのライティングを通じて、読み手を意識して表現することの大切さに気付く

Q 拠点校に指定されてからGTECを受検されていますが、どのように活用していますか?
渡部先生 GTECは拠点校として指定されてから、12年度は中1・2学年、13年度は全学年で、1年間の学習の総まとめとして実施しています。
生徒はGTECを定期テストと同じと捉えていません。定期テストよりGTECは難しいとわかっていますがチャレンジできるようになってきている実感もあるようです。
特に、エッセーライティングの採点の考え方は学習者の励みになります。
たとえば、たくさん文章を書いた生徒のスコアが70点で、その半分の量しか書いてない生徒のスコアが90点だった場合、その違いはどこにあるのだろうと生徒は考えるようになりました。スコアの差として表れているのは「読み手が書き手の心情や状況を想像できるか、感じ取ることができるか」ということがポイントであると認識させました。表現者として「読み手への配慮や姿勢」が大事だと気づいてくれたことは大きな成果でした。

GTECを機に、定期考査の見直しにも着手

渡部先生 また、GTECを実施するようになって、定期考査も見直しました。これまでは和文英訳などが中心でしたが、本当に英語の表現力を測っているのか?という点に課題がありました。
定期テストの配点には上限があるため、点数や順位には反映されないが、評価・評定の「表現」の部分の一部に加味することを周知した上で、英作文の問題を出題しました。表現力(相手に伝わる力)を4段階に別評価しました。
今では、GTECのエッセーライティングのように、「好きな言葉について書きなさい」など1つのトピックを与えて、自由に書かせています。すると、生徒たちには好きな理由だけではなく、そう思うに至った背景や、生徒独自の感性など、ストーリーを書いてくれるようになりました。

CAN-DOをベースにした「英語で学ぶ」指導への移行

Q CAN-DOリストをもとに、どのような指導改善に取り組まれていますか?
渡部先生 「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」への移行を意識しています。
まず、生徒たちは教科書、ノート、ワークブック、スピーキング教材などを用いて、語彙、文法の基本事項を学びます。
今回のLessonで学ぶ表現、CAN-DOを押さえてから、本文の内容理解に入ります。教科書の本文を訳読するのではなく、「筆者の主張は?」「この文言は読者にどのような意識をもたせる?」「この段落の要約は?」「もし、あなたがこの物語の主人公ならどう感じる?」など、「英語で」本文の内容理解を深めています。生徒も「英語」で国語の授業を受けているような感覚をもっているようです。
このような活動から、CAN-DOチェックシートの自由記述に「落語のことについて、より理解が深まった」など、内容理解の深まりをCAN-DOとして認識してくれる生徒も現れてきました。

英語教育推進リーダーの研修を経て、更に授業のブラッシュアップを継続

渡部先生 今年からは「英語教育推進リーダー」として指名いただいたため、6月につくば市で行われた中央研修に参加しました。
それを受けてからは、All Englishを導入して、イントロダクションはすべて英語にするなど、授業内容をブラッシュアップしています。
生徒たちも、私が推進リーダーとして研修に参加していることを知っていて、新しい取り組みも「自分たちのためにトライしてくれている」と理解してくれています。
生徒たちの理解と協力、向上心が本研究を大いに支えています。前向きに学習に励む生徒たちの英語力向上に寄与するよう努めています。生徒たちのおかげで、授業が発展していると感じます。
資料1
資料2
資料3
資料4
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