継続的に英語力の伸びを測定できる
スコア型英語4技能検定

Vol.87Interview

長崎西高校における4技能のバランスを取った英語力向上と、スーパーサイエンスハイスクールと連動した英語力向上の取り組み

長崎県立長崎西高等学校 様

長崎県立長崎西高等学校 様

長崎県立長崎西高等学校は、旧制中学から続く伝統校であり、東大をはじめとする難関大への合格者を例年多数輩出する全国有数の進学校である。平成17年度から文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール」に指定された。平成22年度からは二期目の再指定を受け、新しい研究をスタートさせている。英語指導の変革に取り組んでこられた2年英語担当の大山立身先生と、3年英語担当の中村陽介先生にお話を伺った。

大山先生、中村先生インタビュー

GTEC for STUDENTSの結果から、課題のListeningを重点的に指導

Q 昨年度受検されたGTEC for STUDENTSの結果を拝見しましたが、1年生、2年生ともに大幅にスコアが伸びていました。成果に繋がった取り組みについてお聞かせください。
大山先生 本校の生徒はReadingやWritingについてはGTECでも良い結果を出すのですが、Listeningは他の技能に比べると物足りない結果が出ることが多かったです。生徒が、Listeningのような音声活動をやや軽視する傾向が感じられました。英語力全体を引き上げるためには、Listeningの指導に力を入れる必要性を感じました。現2年生は、1年生時にGTEC受検に向けて、キーとなる単語やフレーズを聴きとる練習など、11月に2週間ほど集中的な指導を行いました。授業の中でも、コミュニケーション英語Ⅰは極力、英語での発話やコミュニケーションを増やし、音読、 Listeningを意図的に増やして行きました。
中村先生 現3年生は旧教育課程ですが、読解教材に取り組んだ後に何度も速度を上げて音読をさせるなど、Readingと音声活動を融合させた指導を心がけるようにしました。また、速読力を付けることがListeningにも繋がると感じ、授業の中で積極的に取り入れて行きました。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)と連動した英語力向上の取り組み

Q 授業以外の時間を使った英語力向上の取り組みがあるとお聞きしています。
大山先生 昨年11月中旬からSSHの活動の一環として「SGE(スーパー・グローバル・イングリッシュ)」という活動を始めました。国際的に活躍するグローバルリーダー育成のために、学校を挙げて英語力の強化に踏み出したのです。具体的な取り組みは次の4つです。

①朝の英語4技能強化タイム
②Lunchtime English
③3年生の放課後Listening強化タイム
④月2回程度のボキャブラリーコンテスト

特に、①朝の英語4技能強化タイムと②Lunchtime Englishは、課題であったListeningの強化に繋がったと感じています。朝の英語4技能強化タイムは、毎朝10分間、英語ディクテ―ションや、オーバーラップを行います。朝学習を毎日英語に変えたわけですが、他教科も協力的でした。
Lunchtime Englishは、昼休みに生徒やALTの英語スピーチを放送で流す試みです。水、金はランダムに選ばれた生徒数名がスピーチをしますが、自分で作成したエッセイを話す生徒が多く、WritingとSpeaking両方の力を試す機会になっています。この二つの取り組みは、元々意識が高かったReading、Writingに加えて、Listening、Speakingなどの音声活動の重要性を実感させることに繋がっています。また、SSHの活動の一環として、昨年から7月上旬に、外部のホールを貸し切って「校内研究発表大会」を開催し、3年生がSSHの研究成果を英語でプレゼンする場を設けています。今年は、理系だけでなく文系のテーマ、グルールごとのプレゼンで全員の生徒が英語で発表しました。

Speakingの機会を授業の中でも増やす

Q Lunchtime Englishや、SSHの研究成果を英語でプレゼンするなど、英語でのアウトプット機会を数多く設けられていますが、授業でのSpeakingのご指導について教えてください。
大山先生 本校では週1回、コミュニケーション英語Ⅰの時間の1コマをSSHの授業に充てており、科学的な題材を英語で学ぶ位置づけとしています。授業は英語教員とALTとSSH担当教員3名のTTで進めます。TTの中で、生徒に英語で自分の考えを述べさせるなど、アウトプットに力を入れた活動をしています。
中村先生 授業の進め方ついては、科学分野に関わる素材をSSH担当の教員が探して来て、英語教員と打ち合わせをしながら検討しています。週1回、英語を聴いたり、話したりすることに重点を置いた授業を行うので、「英語を話すこと」への抵抗感は少なくなってきています。

Speakingの評価にも着手し、一環としてGTEC Speakingテストを実施

Q Speakingの評価についても教えていただけますでしょうか。
大山先生 昨年度は、先ほど話した、SSH枠のTTの授業で年度末にパフォーマンステストを行いました。1クラスを3名の教員で分担すると、1人当たり10数名の生徒の評価を行うことになります。8クラスのパフォーマンステストは1週間で終えることができました。内容ですが、生徒は長崎県の歴史や特色についてまとめられた英語のスクリプトを読んできます。テストでは、教員が読んできた内容について英語で質問し、生徒が英語で答えるという形式です。プレゼンテーションやスピーチではなく、「やり取り」の力を測っています。プレゼンテーションなどの「発表」の力を測るテストは今のところ実践はしていませんが、授業や、 Lunchtime English 、SSHの研究成果を英語で発表など、機会はたくさん設けていますので、意識が高まっていることを感じています。
Q 今年度、1、2年生でGTEC Speakingを実施予定と伺っています。質問を聞いて応答する「やり取り」だけでなく、4コマで表示されているイラストのストーリーを英語で話すなど、「発表」の力を問う問題も入っています。導入にした背景を教えてください。
中村先生 学校で行っているパフォーマンステストを補完する意味もありますが、それよりも生徒の英語学習の意欲喚起に繋げたいという意図が大きかったです。タブレットに音声を吹き込み、録音された音声を採点する方式で、対面形式ではありません。
思うようにいかないケースもあると思いますが、「もっと話せるようになりたい」という前向きな意欲を引き出すことに繋がるのではと期待しています。英語が言語である以上、生徒は当然「話したい」という欲求をもっているはずです。「もっと話したい」、「話せて楽しかった」という思いが、学習意欲の向上に繋がってくれればと考えています。

Listening、Speakingの機会を増やす事が本来の生徒の力を引き出す

Q 様々な取り組みをされていらっしゃいますが、成果としてお感じになられていることを教えてください。
大山先生 生徒がListening、Speakingなどの音声学習の重要性に気がついてくれたことが一番大きな成果でした。元々、Listening、Speakingの力が他の技能に比べて劣っているということはなかったと思います。SSHの活動や日々の授業を通して、「聴く」機会、「話す」機会を増やすことで本来自分たちが持っている力に気がついてくれたのだと思っています。
Q 最後に、今後に向けて進めていきたい取り組みや、生徒にどのような英語力を身に付けさせたいか教えて下さい。
中村先生 SSHの一環として始まったSGEの取り組みはまだ始まったばかりなので、その効果がどれだけ表れているか検証は必要だと感じています。
大山先生 生徒が英語を言語活動として捉えてくれるようになったことは非常に大きいと感じています。ただし、文章を読んで深く考える力や姿勢も生徒が失わないように指導して行きたいと考えています。
現高3生 GTEC スコア推移
現高2生 GTEC スコア推移
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