継続的に英語力の伸びを測定できる
スコア型英語4技能検定

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Vol.88Interview

「英語運用力」を高める4技能統合型の授業実践と、生徒の英語力を多面的に把握する工夫

北海道釧路江南高等学校 様

北海道釧路江南高等学校 様

北海道釧路江南高等学校は、道内外の国公立大学、私立大学へ卒業生を多数輩出する進学校である。平成26年度より教育課程研究指定校事業(外国語)に指定され、4技能の総合的なコミュニケーション能力を育成するための研究をおこなっている。本日は、その取組みの中心を担われている、英語科の高橋 知也(タカハシ トモヤ)先生、加藤 渉(カトウ ワタル)先生にお話を伺った。

英語科 高橋先生、加藤先生インタビュー

新教育課程を契機に4技能統合型の指導をブラッシュアップ

Q 貴校では4技能の総合的なコミュニケーションを育成するための指導を実践されていると伺っていますが、そのきっかけを教えてください。
加藤先生 スピーキングも含めた4技能統合型の指導は新教育課程がきっかけです。もちろん、これまでも訳読を教科書学習のゴールとしない、音読・筆写を軸とするInput-Intake-Outputのサイクルを意識する、音読・スピーキングテストの実施など、取り組んできました。
平成26年度から、文科省の教育課程研究指定事業を受けたため、「コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ」「英語表現Ⅰ・Ⅱ」における4技能の総合的なコミュニケーション能力を育成するための、「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標の設定、および指導と評価における活用方法に関する研究に取り組んでいます。また、スピーキングの指導、パフォーマンステスト評価の実施などにも取り組んでいます。

授業理解のプロセスとして、スピーキング活動を積極的に導入

加藤先生 授業において教師が「All English」であることに、必ずしもこだわっているわけではありません。文法事項などは日本語で説明するほうが理解が進むケースも多いです。
スピーキングは、あくまでも本文を理解する活動のなかに据え、ペア学習など、やりとりを通じて反復していく過程のなかで取り入れています。ゴールだけではなくプロセスとしても導入する、それが新教育課程でいう「言語活動の充実」だと考えています。
スピーキング活動をゴールにする授業は「なんとなく通じた」だけで形に残らず、なにを理解しできるようになったかわかりにくいのが課題です。
そのため、形としてはライティングで正確にアウトプットできることに主眼を置いています。
「正確に書けること」のためには文法・語彙が必要ですし、GTECのエッセーライティングのように、短時間で、多くの量を、論理的に書くスキルを評価してもらえるのは非常に良い機会だと思います。

生徒の活動量は増やしながら、インプットの量を維持する工夫

Q 授業のなかで生徒の活動量を増やすと、授業進度が遅れるというお悩みの声も伺いますが、その点はどのように工夫されていますか?
高橋先生 教科書を教えるという考え方は、英語科の教員の中で持っていません。教材として使いやすいところを吸い取って活用しています。
以前は、すべてのレッスンをルーチンワークで同じように指導していました。その際「先生の授業はやることが決まっているから楽だ」と生徒に言われ、授業を変えなければならないと思いました。脳に十分な刺激を与えるためには、レッスンによって、教える内容、トレーニングの内容を工夫する必要があります。良い意味で、生徒を忙しくさせなければならないと感じています。
加藤先生 新教育課程では、おのずと「教員が話す」時間は少なくなり「生徒が英語で活動する」時間が増えるはずです。情報をインプットする時にもコミュニケーション活動が求められるからです。
しかし、インプットしなければならない「量」は変わらないため、それを維持するバランス感覚が必要です。
活動量だけ増やして、授業満足度は上がっても、英語のスコアは下がったとならないような工夫が必要です。
インプットの量を補うためにも、授業外の部分もとても大事になってきていると感じています。

徹底した音読活動がもたらす学習効果

Q 音読活動を中心とした指導実践によって、どのような学習効果が表れていますか?
加藤先生 昨年度の卒業生からは、1年生から3年生まで継続して長文の音読活動を続けたため「センター試験 第6問」などの長文を読むスピードが速くなったという声を聞くようになりました。
高橋先生 音読活動は、文法、語法の理解にもつながっていますので、問題を見た瞬間にわかるようになります。直感的にレスポンスできることは、コミュニケーションの上ではとても大事です。あとは、リスニング力が格段に上がりました。
正しいリズム、音のリンキング、内容を意識して音読させます。発音を大事にして音読させると、聞く力が発達して、リスニングができるようになります。意味がわかる、かたまりがわかる、それで正しく発音できるようになります。
発音力は大きな要素です。以前は、発音・発音記号などは、あまり重視していませんでしたが、リスニングをさせると、発音の重要性を痛感します。正しく発音できないものは聞けないし、聞けないものは、もちろん話せません。音読活動を通して、リスニングはもちろん、リーディング・ライティングへの効果も期待できると考えています。

アウトプット力を客観的なスコアで測る機会としてのGTEC

Q 貴校ではGTECを高校1年生~3年生まで、半年に1回、計5回ご受検いただいておりますが、そのきっかけ・狙いを教えてください。
高橋先生 音読中心のトレーニング形式授業実践をはじめたことがきっかけで、GTECの実施を検討しました。
中高生の「英語の運用力」を見る上では、現時点でGTECが最適だと考えています。模擬試験だと、記述問題など英語以外の力も必要です。純粋に英語の潜在能力を測るには、GTECで技能・分野別のスコアを分析するのが有効でした。
当初、生徒からは「定期考査や模擬試験で英語のテストがあるのに、なぜGTECを受けなければならないの?」と質問を受けましたが、受検した途端に態度が変わりました。生徒は皆、すぐにスコアを知りたがりました。2回目、受検した際には伸びスコアを知りたがり、生徒の反応が非常に良かったです。
アウトプットの力を客観的に判断できる機会はGTECしかなかったため、生徒のモチベーション維持のためにも半年に1回受検しています(資料1)。

GTECと模擬試験を活用して、生徒の英語力を「面」で把握

Q 貴校ではGTECを模擬試験などと一緒に分析されていると伺っていますが、どのように分析されていますか?
高橋先生 GTECのスコアと進研模試の偏差値を縦軸と横軸にとって、平均値でそれぞれ二分します。2軸の観点を用意して4つの領域で分析しています(資料2)。
英語学習のタイプ・傾向を判断し、学習アドバイスをおこなったり、習熟度別授業のクラス編成に活用しました。
4つの領域を、「学力型」、「コミュニケーション型」、「バランス型」などとタイプ別に分析していました。
加藤先生 「学力型=模試○、GTEC✕」の生徒の特徴は、じっくり考えるのが好きです。しかし、タイムコントロールされるなかで多くの情報を処理するのが苦手であったり、ライティングをする際にアイデアがすぐ出てこなかったり発信が苦手な場合があります。その傾向を生徒に自覚させた上で、授業中のタイムコントロールも大切にしています。
「コミュニケーション型=模試✕、GTEC○」の生徒の特徴は、フィーリング型です。英語の高い能力があるのに地道な学習で基礎・基本、つまり「根拠」を身につけることが苦手な場合があります。このような生徒には、正確なインプット、正確なアウトプットを意識させながら指導します。
高橋先生 高校3年生では、GTECと6月マーク(英語)の成績を比較して大きなスコアのギャップがある生徒を探します。その生徒をピックアップして、担任に声掛けしたり、廊下などですれ違った際に、学習状況などをヒアリングします。スコアだけでなく、どのように取り組んでいるか、ちゃんと力を発揮できたかどうかも把握しなければ、生徒の可能性は見出すことはできません。
特に、高校3年生の7月に受検するGTECは、生徒の背中を押す材料になります。GTECは絶対評価のため、頑張った分だけ成果に現れます。 3年生の模試の結果が悪くても、GTECで高スコアの生徒は可能性を秘めています。
各大学の合否追跡データ、センター試験との相関データなどをもとに声掛けをしています(資料3)。

大学受験は通過点。自分の意思を世界に発信できる人材育成

Q 高校での英語学習を通じて、どのような生徒を育てたいとお考えですか?
高橋先生 本校は進学校ですので、大学入試の突破はもちろんですが「自分の意思をもって、それを世界に発信できる生徒」を育てたいと考えています。受験英語ができても、英語で意思を伝えられない、話せないとなったら、高校3年間トレーニングしてきた意味がありません。
釧路は経済的にも厳しい町になっています。だからこそ、世界を自分の目で見て、感じて、いつか釧路に帰ってきてくれる生徒を育てたいと考えています。
受験英語なんて、あっさり通過してほしいです。
加藤先生 授業では、4技能統合型の授業を目指して実践しています。昨今、各大学が検討されているような教育のグローバル化を見据えた入試改革がどんどん進んでくれたら、授業はもっと変わっていくと信じています。
資料1
資料2
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